20代OLの人生消耗ブログ

20代都内在住OLののつぶやき。

コンビニ人間

 

 

 

芥川賞を取ってからかなり時間が空いてしまったけど、村田沙耶香著『コンビニ人間』を読了した。

 

普段はこういう純文学?というか、なんとか賞を取るような有名な本は読まないんだけど、作者がかなり特殊なキャラクターらしく、テレビでも紹介されたので手に取ってみた。

 

あらすじ全然知らなくて、ずーっとコンビニでバイトしてきた未婚女性が、そんな生き方おかしいと指摘する大学生バイトに恋をしていく話だと思っていた。

 

 

読んで見て思った。そんな訳ない。笑

 

 

 

予想以上にやばいやつだった。笑

 

 

主人公の恵子は、子供の頃から共感能力というか社会性が欠如した人間で、いわゆるサイコパス。徹底的に合理性を求めた考え方をして、手段を選ばないため、両親や周りの人間からも気味悪がられていた。

 

これ読んで思ったのが、『悪の教典』の蓮見聖司。これも主人公がサイコパスで、自分の理想郷を作るために教え子を惨殺していく話なんだけど、彼は自分の欲望に忠実で、意思がはっきりしているし、頭がいい。

 

サイコパスと定義づけられる人は、蓮見聖司みたいに頭が良くカリスマ性があって、一見しては普通の人間と変わらないそう。経営者とかに多いらしい。

 

その点、恵子には自分の意思がない。本人が何度も言っているけど、指示さえあればなんでもするタイプ。

蓮見のような暴力性はなく、家族を困らしたくないし、友人とも普通に付き合って行きたいと思っている。

 

恵子も蓮見も、自分の振る舞いに関して他人の真似をすることで社会から異常とみなされないように努力している。

恵子の場合、その人格は18年にも及ぶコンビニのアルバイト生活から培ったもので、話し方はいちいち元気で、なんか感情がこもっていない。文章からでもわかるから、実際に見ても異質に感じると思うんじゃないかな。

 

恐ろしいほど他人に興味がなく、あるのはコンビニでアルバイトをすることだけ。

だから怒ったり、喜んだりすることもない。

ただ、彼女は社会の歯車になりたいのだ。

自分にとっては普通の振る舞いでも、それだけで周囲にとっては異常に映る。そのせいで何度も家族に迷惑をかけてきた。

彼女はただ平穏に、普通に生きたい。

そして、それを叶えてくれるのは、コンビニだったのだ。

 

 

 

『コンビニ人間』というタイトルを見て、何かの比喩かと思ったら、本当にコンビニでしか生きられない生き物の話だった。

何度も辛い…と思いながら、でもとても面白かった。

恵子の普通になりたいという気持ちが、とても良くわかるから。

 

 

物語のキーパーソンとなる白羽については、特に思うことなし。

典型的なクズで、言ってることめちゃくちゃ。

最近、こういう生き辛いであろう人間を見たことがあるから、結構いるのかな。

なんか、前に動物は弱肉強食なのに、どうして人間は弱い人間を助けるのか、っていう質問に、人間は社会性を持つことで発展してきて、弱い存在も守ることが生存戦略なんだと回答したやつがあったけど、それを思い出した。

最近では、多様性とか生き方とか、昔ほど色々固執する時代ではないから、恵子や白羽もそこまで責められないのかな、とも思う。

まあ、マイノリティではあるだろうけど。

 

 

恵子がコンビニを辞める前、クズ男白羽と同居していることがバレて祭り状態になっちゃうんだけど、今まで恵子はいい人だとか、趣味が合うかもとか言ってた人たちが、稽古を除け者にして飲み会してたと分かったり、あからさまに騒いだりして、結局居場所だと思ってたとこにも影で馬鹿にされてたんだな、って。

恵子の異常さはやっぱバレてたんだな。あんなに偽装して振舞ってたのに、自分と違うってことには、敏感になるもんね。直感というか。

 

騒ぎ立てられて泣きそうになる恵子が本当に見てるの辛くて、ほんと生きづらい…と思った。

ほんと、山奥で世捨て人みたいな生活をするしかないな。

 

 

それでも、最後はコンビニしかない、って普通の人間になるのを諦めるんだけど、彼女は最後どうなるのかな。

もし、恵子が最初にコンビニに勤めてなくて、例えば食品工場とかだったら、『食品工場人間』になってたのかな。

自分で考えることをしないから、案外刷り込みなのかも。

 

 

久々に、本を読んで辛くなった。笑

でも、面白い。なんかコミカルだし。